KEN BOZEMAN ONLINE SEMINAR ・ SESSION 2

第2回 ケンボーズマン・オンラインゼミ をピヨ解説
— オンセットと閉鎖、ミックス=閉じた音色、キアロスクーロ・ウィスパー

声楽音響(PVA)を、ピヨ鳥とピヨ猫のおしゃべりで噛みくだくピヨ。

ピヨ鳥
ピヨ鳥
やさしい先生。語尾は「〜ピヨ」。難しい音響の話を、ゆっくり噛みくだくピヨ。
ピヨ猫
ピヨ猫
学ぶ生徒。素朴な疑問でどんどん先へ進めていく。
出典:ケンボーズマン・オンラインゼミ 第2回(2026年3月21日)Zoom収録の文字起こし。話者は Ken Bozeman(英語)+浅野千尋(通訳)。引用はケンの発言+おおよその収録時刻(mm:ss)。第2回ではケンの妻 Joanne が登場し、クリーキーボイスとティーター・トッターを実演したピヨ。Zoom自動文字起こしの明らかな誤認識は声楽音響(PVA)の知識で [ ] 補正してあるピヨ。
🎥 録画(Zoom):共有リンク(パスコード #b+$N#4P)ピヨ。
約束ピヨ:このページは収録された対話だけを情報源にしているピヨ。資料に無いことは足さない。引用はケンの実際の発言で、やさしい和訳とおおよその時刻を付けているピヨ。実演(デモ)は文字にできないので「〜のデモンストレーション」と書くピヨ。
📌 0. 今日のまとめ(30秒で)
ピヨ猫

第2回って何の話だったの?まず全体像から知りたいニャ。

ピヨ鳥

いい入り方だピヨ!第2回はQ&Aの回で、テーマは大きく分けるとこんな感じだピヨ。

  • オンセット(発声の出だし):クー・ド・グロット、コーディネイテッド、気息性の3種。
  • 声区の二層:喉頭声区(M1/M2)と音響声区。そしてミックス=閉じた音色という再定義。
  • 良い閉鎖の作り方:感情表現、クリーキーボイス、ファリンジャルボイス。
  • F2まわり:合唱の母音統一、キアロスクーロ・ウィスパー、補色母音、発声様式の聴き分け。

通底するのは「むりに操作せず、心地よい感情でアクセスする」という考え方だピヨ。今日も最後まで一緒にいこうピヨ!

🎯 1. クー・ド・グロットってなに?
ピヨ猫

最初の質問が「クー・ド・グロット(coup de glotte)」だったよね。なんだか怖い名前……きっと、声をバチンッと叩きつける技だ!どうかな?

ピヨ鳥

おっと、勢いがいいピヨ。でもイメージは真逆だピヨ。発声する直前に、声門をやさしく閉じておくだけのことだピヨ。

“The [coup de glotte] simply means starting a phonation with the gloddest [glottis] closed immediately prior to phonation.” → クー・ド・グロットは、発声のすぐ直前に声門を閉じた状態で歌い出す、というだけの意味だピヨ。 ケン 07:16

モデルになるのが声を出さないリップトリルだピヨ。圧をかける直前に唇を閉じる、あれと同じ原理ピヨ。

ピヨ猫

閉じてから始めると、何かいいことがあるの?

ピヨ鳥

仕組みはこうだピヨ。閉じた声帯を発声閾値圧力(phonation threshold pressure)が押し開け、すぐパチンと閉じ直す。この気流の急な遮断が、信号でいちばん強い部分=希薄化(rarefaction)を作るピヨ。

“That shutting off of the airflow creates this strongest part of the signal. … It creates a strong rare faction [rarefaction] just above the vocal [folds].” → 気流をパッと止めると、それが信号のいちばん強い部分になるピヨ。声帯のすぐ上に強い希薄化(低圧)が生まれるピヨ。 ケン 09:50

そして大事なのは速さピヨ。閉じが速いほど発声は強くなり、信号の高周波成分も豊かになる=明るく・クリアで・集中した音になるピヨ。もう一つ、良い発声では後ろの披裂軟骨(arytenoids)は周期的に開閉せず閉じたままで、振動するのは膜様部だけ。これは覚えておくと便利ピヨ。

💨 2. 空気が先に出るとどうなる?
ピヨ猫

逆に、空気が先に出ちゃったら?支えが安定しなくて発声がフラつく、って理解で合ってる?

ピヨ鳥

方向は合ってるピヨ。空気が先に出ると、高周波成分の立ち上がりが遅れる=上から下まで揃ったキレイな信号がすぐには得られないピヨ。ただし力ずくはダメ。あくまで「やさしい閉鎖」で、スクイーズ(締め付け)じゃないピヨ。

ピヨ猫

じゃあクー・ド・グロットだけが正解で、ほかのオンセットはダメな子ってこと?

ピヨ鳥

そうではないピヨ。閉鎖と気流を同時にやろうとするコーディネイテッド・オンセットも、健康的で良いオンセットだピヨ。クー・ド・グロットのほうが「ほんの少し効率的」というだけピヨ。

“A coordinated onset, which attempts to do them simultaneously … is also a healthy onset, just not quite as strong as the [coup de glotte].” → 同時にやろうとするコーディネイテッド・オンセットも健康的だピヨ。ただ、クー・ド・グロットほど強くはないだけピヨ。 ケン 16:27

そしてどちらも、目指すゴールは同じ=フロー発声(flow phonation)圧・気流・抵抗のバランスが続く状態で、両方のオンセットからそこへ行けるのが望ましいピヨ。

🌗 3. 過剰調音とアンダーヴァウル
ピヨ猫

プレストになるかどうかって、結局のどの力み具合の話なの?

ピヨ鳥

のどだけじゃないピヨ。じつは母音をどうイメージするかがすごく効くピヨ。明るい母音を過剰調音(overarticulate)すると、喉頭が上がってプレストになりやすいピヨ。解決は、各母音の温かく中立的な色=アンダーヴァウル(undervowel)を前に出すこと。[i] なら明るい EE ではなく、温かいほうの EE だピヨ。

ピヨ猫

明るさは前、暗さは後ろ……って自然にやりたくなるけど、それでいいの?

ピヨ鳥

ここが面白いところで、逆に捉えるとうまくいくピヨ。明るさを前に感じると喉頭が上がって締まる、暗さを後ろに感じると喉頭が下がって飲み込んだ音になる。逆にするとちょうど良いバランスになるピヨ。これがキアロスクーロ(chiaroscuro)=明暗の両立だピヨ。

“Bright in the front raises the larynx and tightens. Dark in the back depresses the larynx and swallows it. Reversing those gets you a good balance.” → 明るさを前=喉頭が上がって締まる。暗さを後ろ=喉頭が下がって飲み込む。逆にすると良いバランスになるピヨ。 ケン 18:18

そして近道は、操作じゃなくて感情ピヨ。正直で不安のない感情が、自分をなだめるように、自然とこのバランスを作ってくれるピヨ。

🎚 4. 喉頭声区 M1/M2 と音響声区
ピヨ猫

M1とM2って、いわゆるチェストボイスとヘッドボイスのこと?それと、声区の切り替わりってピッチで固定されてるの?

ピヨ鳥

前半は「イエス」だピヨ。ケンは即答していて、M1=胸声、M2=頭声/ファルセットに感覚的に対応するピヨ。でも、切り替わりは固定されていないピヨ。自然な移行点はだいたいト音記号の下端(Eb付近)だけど、テノールやベルターは C5 あたりまで、普通の移行点より上まで M1 を延ばせるピヨ。

ピヨ猫

じゃあ「音響声区」っていうのは、それとはまた別の話なの?

ピヨ鳥

そう、別物ピヨ。音響声区(acoustic register)は、歌っているピッチの倍音と、母音の第1共鳴(=F1)の関係で決まるピヨ。だから発音が変わればF1が動き、音響声区の場所も動くピヨ。

“Acoustic registers have to do utterly with pronunciation, because pronunciation moves the [first] formant around. And so when you move the [first] formant, you will move the location of where the acoustic registers occur.” → 音響声区は発音そのもので決まるピヨ。発音がF1を動かし、F1が動けば音響声区の位置も動くピヨ。 ケン 30:41

ただし同じ母音なら、音響声区はほぼ予測どおりに固定されるピヨ。F1を動かさないまま音程だけ上げれば、関係が変わって音響声区が切り替わるピヨ。

🔑 5. ミックス=閉じた音色
ピヨ猫

じゃあいよいよ……「ミックスボイス」って、結局なんなの?きっとチェストとヘッドを50:50でブレンドした第3の声帯モードだ!どうだ、合ってるニャ!

ピヨ鳥

ピヨピヨピヨヨヨヨ、自信満々だピヨ! でもケンの答えはそこがポイントピヨ。ミックスは新しい声帯モードじゃなくて、おもに音響声区閉じた音色(closed timbre)のことなんだ、というのがケンの主張ピヨ。

“Mixed voice is to me primarily an acoustic register … but it's basically the same as what I call close [timbre].” → ミックスボイスはケンにとっておもに音響声区で、自分の言う閉じた音色とほぼ同じものだピヨ。 ケン 31:47

仕組みでいうと、上行で第2倍音(H2)がF1を超えると閉じた音色に切り替わるピヨ。1オクターブ以内に第1共鳴が近づくとそうなるピヨ。

“Another way to say that … closed [timbre is] whenever you're singing less than an octave below the [first] resonance … because the second harmonic is above.” → 別の言い方をすると、第1共鳴の1オクターブ以内まで上がると閉じた音色ピヨ。第2倍音がF1を超えるからだピヨ。 ケン 34:43
ピヨ猫

へぇ……「第3モード説」は外れか。で、閉じた音色になると何が嬉しいの?

ピヨ鳥

ここが効くピヨ。閉じた音色にすると、M1なら負荷が減って「軽いM1」になり、M2なら少し力強いM2になるピヨ。だからM1↔M2の移行がなめらかになるピヨ。背景には非線形音源フィルタ理論(nonlinear source-filter theory)=声道の形(共鳴)が声帯の振動にもフィードバックする、という考え方があるピヨ。「説明するより、デモして訓練するほうが正直ラクなんだけどね」とケンは笑っていたピヨ。

❤️ 6. 感情が声帯を閉じる
ピヨ猫

良い声門閉鎖がほしいとき、何をすればいいの?

ピヨ鳥

ケンがいちばん最初に挙げたのは感情表現だピヨ。感情は発声プログラミングのいちばん深いところにあるから、声帯を自然に寄せてくれるピヨ。

“For good closure … using expression of feeling, which is the deepest level programming for voicing, tends to put the [cords] together.” → 良い閉鎖には感情表現ピヨ。感情は発声のいちばん深い土台だから、声帯をそっと合わせてくれるピヨ。 ケン 36:49

具体例も挙げていたピヨ。美味しいご飯への本気の感謝(mmm…)とか、犬へのやさしい注意(カーペットでおしっこしないでね、と言うときの声)。どれも心地よくて、不快じゃないのがポイントピヨ。

ピヨ猫

母音をつけて閉鎖を練習するときのコツはあるの?

ピヨ鳥

声門ストロークではアンダーヴァウルの色でやって、唇で隠さないのがコツピヨ。[i] なら明るい EE じゃなく、温かい EE をむき出しにするピヨ。大前提は「ひとつの母音は2色のブレンドで、1色じゃない」と気づくことピヨ。もう一つの手がファリンジャルボイス(pharyngeal voice)。魔女みたいなトゥワングの色を、前に出しすぎず咽頭の上のほうに感じるといいピヨ。それでも各母音にアンダーヴァウルがあって、それを前に出すのは同じピヨ。

🚪 7. クリーキーボイス(Joanne登場)
ピヨ猫

3つめのエクササイズは「クリーキーボイス」だね?なんだかケン先生、ちょっと苦手そうだったけど?

ピヨ鳥

そうなんだピヨ。ケンが「自分は得意じゃないから、妻のほうがとても上手」と言って、妻の Joanne を呼んできて実演してくれたピヨ。これはおもに女声(トレブル声)やソプラノに向く練習ピヨ。Joanne の説明では、クリーキーボイスは厚い声帯ではなく、薄い形のまま完全閉鎖を得る音ピヨ。後ろ(披裂)も閉じるけど、とてもソフトな音だピヨ。(以下、Joanne によるクリーキーボイスのデモンストレーション)

“Creaky voice is an odd sound. … it does get the vocal folds closed completely, but not necessarily with a thick cord position … It's a very soft sound.” → クリーキーボイスは変わった音ピヨ。声帯を完全に閉じるけど、厚い声帯じゃなくていいピヨ。とてもソフトな音ピヨ。 Joanne 43:48
ピヨ猫

どんな音をイメージすればいいの?どこから始めるの?

ピヨ鳥

イメージはきしむドアの蝶番(ちょうつがい)ピヨ。安定しない、ちょっとパチパチした音で、とにかくとても、とてもソフトにやるのがコツピヨ。Joanne は [e] から、トレブル声ならF あたりのピッチで始めるのを勧めていたピヨ。もう一つの方法が、歌声を診る言語聴覚士(SLP)Laurie Sandenburg から学んだティーター・トッター(teeter-totter=シーソー)という練習ピヨ。音をシーソーのように揺らすピヨ。(以下、ティーター・トッターのデモンストレーション)

ピヨ猫

これって、どんな人にとくに効くの?

ピヨ鳥

プレスしがちな生徒にとくに効くピヨ。ボリュームを思いきり下げるのが大事ピヨ。狙いは、低い圧力でM2の形のまま完全閉鎖する感覚を体に覚えさせること。普通の声に戻ったときにその閉鎖の記憶が残り、気息っぽい高声を劇的に直すこともあるピヨ。

🎼 8. 合唱の母音統一とF2チューニング
ピヨ猫

合唱で母音をそろえるには、どうすればいいの?

ピヨ鳥

ケンは「これはまだ自分でもあまり試してない、ちょっと推測まじり」と前置きしたうえで、こう言ったピヨ。どの声種でも、F2のキアロスクーロ・ウィスパーのピッチは合わせられるピヨ。

“This is gonna be a little speculative … However, every voice type can match [F2] [chiaroscuro] whisper pitches.” → ちょっと推測まじりだけど、どの声種でもF2のキアロスクーロ・ウィスパーのピッチは合わせられるピヨ。 ケン 48:44

理由は、F2は咽頭側(後方)の空間で作られて、十分な柔軟性がみんなにあるから。F1は声種でバラつくけど、F2は誰でもアクセスできるピヨ。面白い例えにオウムが出てきたピヨ。オウムが人の声を真似るときもF2を狙っているので、オウムにできるなら人間ならどの声種でもできる、というわけピヨ。

ピヨ猫

合唱だと、具体的にはどうするの?

ピヨ鳥

合唱団全員に、ある母音でF2を合わせる遊びをさせれば、きれいにブレンドするはず、というのがケンの読みピヨ(試したことはない、と正直に添えていたピヨ)。大事なのは、F2のターゲットはディクション(発音)とジャンルで変わること。同じ [a] でも、南部英語・クラシック・スウェーデン語でF2は違うピヨ。だからCCM(ポップスなどの現代商業音楽)には、より明るい音色用のF2セットを勧めていたピヨ。(以下、ケンによるキアロスクーロ・ウィスパーのスケール実演)

🔊 9. キアロスクーロ・ウィスパーの実践
ピヨ猫

そもそもキアロスクーロ・ウィスパーのゴールって何なの?

ピヨ鳥

ゴールは2つピヨ。はっきりしたF2のピッチと、首が心地よくラクな感覚ピヨ。締め付けも押し下げもナシピヨ。

“The goals with [chiaroscuro] whisper are clearly defined second formant pitches, and really comfortable, soothing neck sensation, no effort. … neither constriction nor depression in the neck.” → ゴールははっきりしたF2のピッチと、力みのない心地よい首ピヨ。締め付けも押し下げもダメピヨ。 ケン 48:37

クリアなピッチが出る仕組みは狭帯域チューニング(narrow bandwidth tuning)ピヨ。フォルマントのピークが鋭い(帯域が狭い)ほど、ピッチがクリアで強度も増すピヨ。逆に口を開いてスプレッド(広帯域)にすると、ピッチが聞こえなくなるピヨ。(以下、狭帯域と広帯域の聴き比べデモンストレーション)

ピヨ猫

そのピッチって、どうやって見つけるの?

ピヨ鳥

いちばんわかりやすい手は、[u] から上にグライドして、ターゲットのピッチに来たら止まること。母音の音がどうなろうと、それを受け入れるピヨ。もう一つのコツが内面化する感情(internalizing affects)。前に出ない、声を守るような感情で、たとえば懐疑(skepticism)の表情だピヨ。喉は使わず、暗く掘って喉頭を押し下げない。音色にアンダーヴァウルを十分入れるだけで、無理に下げなくても喉頭は自然に低く浮く、それがいちばんピヨ。

🎨 10. 補色母音は「想像」する
ピヨ猫

補色母音(complementary vowel)って、みんな苦戦するやつだよね?きっと補色は唇でその形をしっかり作るのがコツに違いないニャ!

ピヨ鳥

おっと、そこがいちばんの落とし穴ピヨ! ケンはハッキリ言っているピヨ。補色は唇で形を作らない想像するだけピヨ。唇はターゲット母音の形のままキープするピヨ。

“I shape, but I imagine sound. … you allow the color of the complementary vowel to come through the shape of the target vowel.” → 形はターゲットのまま、音だけを想像するピヨ。補色の色を、ターゲットの形を通して出すピヨ。 ケン 01:07:37
ピヨ猫

ありゃ、また外した……。でも「想像する」って、なんだか曖昧だよ。昔の先生もそう言ってたの?

ピヨ鳥

100年前のイギリスの教育者 Herbert Cesari(イタリアで学んだ人)も、まさに同じく「形を作らず、ただ想像する」と言っていたピヨ。そして実演のオチが面白いピヨ。ターゲットを過剰調音すると音が前に落ちてくるのに、補色のほうを出すと、音が高く前に位置するピヨ。直感に反するピヨ。唇を使うのは円唇母音 [o][u] だけで、[i][e][a] は横長の楕円をキープピヨ。

🩺 11. プレスト・気息性・フローを聴き分ける
ピヨ猫

プレスト発声、気息性発声、フロー発声って、耳でどう聴き分けるの?

ピヨ鳥

順に整理するピヨ。プレストは、きつくて締まった、メタリックな音で、喉頭位置が高くなりやすいピヨ。

“Pressed sounds a bit tight, overly compressed, more metallic. … it tends to have a high [larynx].” → プレストは、きつく・過剰に圧縮されたメタリックな音で、喉頭位置が高くなりやすいピヨ。 ケン 01:11:33

いっぽう気息性は、暗くくすんで、息のノイズがまじる音ピヨ。

ピヨ猫

「プレスト気息性」っていう変なやつも出てきたよね?それは危ないの?

ピヨ鳥

これは要注意ピヨ。前は押して、後ろは閉じきらず息が漏れる状態ピヨ。前で声帯を押しながら、後ろに隙間(chink=声門のすき間)が残るピヨ。これは良くなくて、結節(nodules)の原因になりやすいピヨ。

ピヨ猫

じゃあ理想のフロー発声は、どんな音と感触なの?

ピヨ鳥

フロー発声は、心地よく・澄んで・クリーンで、振動が気持ちいいマッサージみたいな音ピヨ。キアロスクーロのバランスを作る最高のポテンシャルを持つピヨ。

“Flow [phonation] just feels really soothing, clear, clean … the vibrations are almost like a nice [massage]. … Flow [phonation] has the highest potential for a [chiaroscuro] balance.” → フロー発声は心地よく澄んでクリーンで、振動がマッサージみたいに気持ちいいピヨ。キアロスクーロに最適だピヨ。 ケン 01:13:51

アクセスのコツは温かい感情ピヨ。共感・安心・なだめる気持ち、子どもをあやすような感じが、フロー発声を見つけやすくするピヨ。

🔁 12. オンセット再考と披裂軟骨
ピヨ猫

クリーキーボイスって、低い音でもM2でやるの?M1で閉鎖を練習したいときは?

ピヨ鳥

クリーキーボイスは、ケンが知るかぎりM2でしか使われてこなかったピヨ。低音でもM2でやるピヨ。一方ファリンジャルボイスはM1でもM2でもできるピヨ。だからM1で閉鎖を練習したいならファリンジャルがいいピヨ。

ピヨ猫

最後にオンセットの話に戻ったよね。3種類ぜんぶ使えるべきってこと?

ピヨ鳥

そのとおりピヨ。気息性(H)・コーディネイテッド・声門ストロークの3種すべてからフロー発声に行けるべきで、空気が先に出るHからでもクリーンな発声に行けるのが目標ピヨ。ただし即座にフルな音色を得やすいのは、やっぱりクー・ド・グロット(声門ストローク)ピヨ。そして締めくくりの大事な知識ピヨ。良い発声にたどり着いたとき、披裂軟骨は閉じていて、閉じたままピヨ。第1回からの一貫したメッセージだピヨ。

“Once you get to the good phonation, the [arytenoids] are closed, and they stay closed. … they stay closed in the back the whole clean [phonation].” → 良い発声に着いたら、披裂軟骨は閉じていて、閉じたままピヨ。クリーンな発声の間ずっと後ろは閉じているピヨ。 ケン 01:24:00
🧭 13. 論点・次回への持ち越し
ピヨ猫

今回、すぐにはスッキリ解決しなかった話もあった気がするニャ。整理しておきたいな。

ピヨ鳥

いい振り返りだピヨ。今回の「持ち越し・論点」はこんな感じピヨ。

  • 音響声区・ミックスの詳細は「次の章で出てくる」と何度も予告。今回は概観どまりピヨ。
  • 合唱のF2マッチングはケン自身「まだあまり試していない、推測まじり」と明言。実践検証はこれからピヨ。
  • 結節と非周期ノイズについての参加者の込み入った質問には、ケンは「満足な答えになるか分からない」と前置きしつつ、「H(気息性)からでもクリーンな発声に行ける」「良い発声では披裂は閉じたまま」という原則を返したピヨ。ノイズとの因果まで断定はしていないピヨ。

最後にケンは「私たちはみんな生涯学習者だ。次回は歌って、声で遊ぼう。それが楽しいところだ」と締めたピヨ。

今回のキモは「ミックス=閉じた音色(音響声区)」と「むりに操作せず、心地よい感情でアクセス」だピヨ。よくここまで来たピヨ、この調子でいこうピヨ!

出典・注意

  1. 本ページの情報源は「ケンボーズマン・オンラインゼミ 第2回(2026年3月21日)」Zoom収録の文字起こし(VTT)のみです。事実・引用・数値は捏造していません。
  2. 引用はケン・ボーズマン(および妻 Joanne)の英語発言の verbatim です。Zoom自動文字起こしの明らかな誤認識(例:vocal foes→[vocal folds]、gloddest→[glottis]、Kuro Tambo→[chiaroscuro]、close timber→[closed timbre]、aridenoids/writtenoids→[arytenoids]、rare faction→[rarefaction]、ferential/varyngel→[pharyngeal]、Laurie Sandenburg / Herbert Cesari など固有名)は声楽音響(PVA)の知識で [ ] 補正のうえ整えました。時刻は収録のタイムスタンプに基づくおおよその値です。
  3. 和訳は浅野千尋さんの通訳とケンの英語の両方から意味を合成した、初学者向けのやさしい訳です。逐語訳ではありません。
  4. クリーキーボイス・ティーター・トッター・キアロスクーロ・ウィスパーのスケール等は実演(音)であり、文字に起こせないため「〜のデモンストレーション」と注記しています。
  5. 用語は PVA 用語集に統一(フォルマント/F1・F2・f₀/H2/キアロスクーロ/喉頭声区 M1・M2/音響声区/閉じた音色/アンダーヴァウル/補色母音/フロー発声 等)。
  6. 本ページは個人学習のための要約・整理・翻訳・引用です。元の収録・書籍に著作権がある場合があります。